つのの細道(ローマ)

  
 ローマはあまり好きではありません。人が多くてうるさいし、ほこりっぽいからです。
 でも、見どころはたくさんあります。

 ただ、そのスパゲッティーの美味しさは、衝撃でした。
 今でこそ、現場じこみのイタ飯レストランは、どこにでもありますが、
 1979年の日本には、ミートとイタリアンの2種しかなかったので、
 細メンをアルデンテに茹でたボンゴレビアンコは、感動でした。
 いまだにスパゲッティ−第一主義なのは、その時の後遺症です。

 夏のローマは、歩道がレストランでした。
 ビルとビルの隙間にタ−プを張っただけのレストランもあります。
 ボーイがやってきて、テーブルクロスをばさっとはらって、
 灰皿の吸い殻を、道端にぱっと投げ捨てていました。
 そんなカンターレマンジャーレな国民性に、ちょっとついていけませんでした。
 
 ホテルは最高にローマなホテルでした。
 天井が高くて、フラットな広い部屋に、バスタブとトイレとビデが置いていました。
 19歳の私は、お湯をはって、つかるだけで、
 バスタブのまわりをびしょびしょにしてしまいました。
 ビデなどは、見るのも初めてで、何のための器なのか、想像もできませんでした。
 
 高い窓から射し込む陽射しが妙に明るくて、古代ローマ帝国を思わせる部屋でした。
 もうあのホテルも改装されて、近代的な部屋になってしまっているでしょう。

 このホテルを拠点に、ナポリとポンペイに日帰りで行きました。
 ポンペイは、子どもの頃、父に連れられて、
 兵庫県立近代美術館で「ポンペイ展」を見たことがあり、
 その時、えらく衝撃を受けたので、是非行ってみたかったのです。
 でも、現物は、ただの草のはえた遺跡でした。

 友人KY子が行った、ナポリからカリブ島に渡り、青の洞窟を見る、
 というのは、感動ものだったようです。
 次回ナポリに行く方は、ぜひお試しください。



 また、ローマ市内にある「バチカン市国」も必見です。
 これは、ローマ法王が住んでいる教会で、世界で最も狭い国ですが、
 さすが、カトリックの総本山で、仏教徒も圧巻です。

 トレビの泉で後ろ向きにコインを投げたのに、以後2度とローマに行っていません。
 やっぱりあれは、大ウソです。

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